DQB ねんどろいど改造 塗装
ねんどろいど改造。色味の決め方と色作り・塗装についてです。
- 塗装前準備 写真着色
- 塗装前準備 ラッカー塗料での下地
- 調色と塗装
塗装前準備 写真着色
グレー写真に画像ソフトで着色した状態
パーツが出そろった所で一通り写真を撮っておきます。
何枚かに画像ソフトで着色を行い、だいたいの色合いを決めておきます。
色味はゲーム画面を意識しつつ、パッケージ絵にも寄せつつな色合いにしました。
パッケージ絵については手持ちのゲームパッケージを参考にしました。
メーカーさんが出した印刷物なら色合いも管理されていて間違いないはずです。
最初にプレイしたPS3版はパッケージ版、PS4版はダウンロード版で所持
パッケージイラストのビルド君は血色の良い顔をしているけど
ゲーム的な設定では顔色は悪い事になっている
全般的にゲーム画面は彩度高めの元気ではっきりした色合い
パッケージイラストは少し彩度低めで落ち着いたお洒落な色合い
両方のイメージをどう折り合いをつけていくかが悩ましい所
使用ソフトはレイヤー機能が使えるソフトであれば何でも大丈夫だと思います。
メジャーなソフトなので検索すると使い方を解説したサイトが沢山出てきます。
着色したい画像を読み込み「画像」→「選択範囲で切り抜き」でトリミングしておきます。「画像」→「キャンパスサイズの変更」で幅を倍にします。
トリミングし終わった画像
ここではグレーサフを吹いた状態なのでトリミングのみで進めるが
パテ等で色が付いている場合は「画像」→「モード」→「グレースケール」で色を消しておく
トリミングしたレイヤーを「レイヤー」→「レイヤーの複製」で複製し、「ツール」→「変形ツール」→「移動」で真横に配置します。
画像を並べた状態
画像を並べる事は必須ではないが変化を把握しやすくなるのでやっておく
「レイヤー」→「新しいレイヤーの追加」でレイヤーを増やし、パレットから適当な色を選択してベタ塗りし色味の調節を行います。
レイヤーに「青」と名付けレイヤーモード標準・不透明度100の状態で鉛筆ツールなどでベタ塗り
公式絵があればそこからスポイトツールで色を拾ってきてベタ塗りしてみるのも手
私の場合は「色」→「色相・彩度」で調整した後に「色」→「カラーバランス」で微調整している
デジタル環境ではイメージしている青が赤味を帯びているのか黄色味を帯びているのか等といった事が
よく分かる
レイヤーモードをハードライトにし不透明度を調整して色の乗りを調整します。
レイヤー一覧の上のモード選択でハードライトに変更、不透明度を調整して好みの状態にする
色毎にレイヤーを追加し同様の作業を繰り返します。
実際の調色は手間がかかりますがデジタルでは容易に調整できます。ここでイメージを固めておくと後で楽になるのでしっかりとやっておきます。
【写真着色1回目】
最初に全パーツが出そろった頃に行った写真着色です。
まだ色があいまいです。着色した事により後ろ髪のモサさ等の違和感に気付きます。
【写真着色2回目】
最初の写真着色で気になった点を修正して再度写真着色します。
ハンマーなどのオプションパーツも仕上がったので全部込みで着色。
このイメージで行く事にしました。
塗装前準備 ラッカー塗料での下地
今まではラッカー系を使用していましたが今回は水性系に挑戦してみました。
評判の良い新水性ホビーカラーをメインで使用していきます。
塗装をやり直す際に水性ホビーカラーだけ落とせるよう、下地はラッカーにしておきます。
パーツはすでにラッカー系(グレーサフ)でコーティングされています。
発色を良くしたいパーツのみ、ラッカー系のガイアノーツのアルティメットホワイトを吹いておきました。
調色と塗装
色を扱う作業は日中、自然光の下で行いました。
夜間だと光量不足や照明に影響されて色合いをきちんと把握しにくいからです。
日中に確認するのが確実です(色味にシビアな別のハンドクラフトで泣きを見ています...)
色合いを決めるのは面積の大きいパーツから。
一度に平行して複数パーツの色決めをすると、パーツを合わせた時にお互いに色味が合わないなどの弊害がおきる可能性があります。
印象の強いパーツから色合いを決めて塗装し、後から別パーツを合わせていく感じで作業を進めました。
最初の調色は調色スプーン単位で行いました。
色が出来上がったら色見本に吹いて様子を見ます。
再度調整する場合はパーセンテージで管理していきます。
調色済み塗料の重量をはかり、調色レシピの比率からパーセンテージを割り出し、パーセンテージから各塗料が何グラム入っているかを算出します。グラム単位で塗料を足して調色を行い、各塗料のグラム数からパーセンテージを割り出し、最終的なレシピとします。
青:水性ホビーカラー
ガチャガチャのスライムとほぼ同じ色にするのが目標
把握しにくい色でかなり迷走
今回のヤバい色。
塗料色、吹いた時の色、乾燥してきた時の色、1日くらい経った時の色、が何か違う4重苦でした。立体化物に塗ると影が入るからか印象が変わるし、スカイブルーが思いの外透過する色だったのも辛い。最後につや消しクリアを吹くとまた色が少し変わります…
ベタ塗りしたいので、白で透過を下げつつ、ブルーで色味を濃くし、レッドで若干色相を調整し…って感じです(彩度調整のブルーグレーは不要だったかも)白が結構入ります。
一緒に並べる予定のスライムを意識して色合いを調整しました。つや消しクリアー前はスライムより少し青め、つや消しクリアー後はスライムとほぼ同じくらいです。
黄緑:アクリジョン+水性ホビーカラー
調色が難しくてメモを取れる状況じゃなくなってました
3色の内、やや穏やかな色合いの2番を塗っています
立体物に塗ると3番くらいの発色です
アクリジョンと水性ホビーカラーの混合です。
メーカーさん非推奨の組み合わせですがとりあえず挑戦。
パッケージ絵だと落ち着いた黄緑ですが、ゲーム画面寄りの蛍光グリーンがはっきりした色合いにしました(写真だと緑色が上手く出ていません)
配合的には黄色·蛍光イエローが多めです。色見本帳2番の少しぼんやりした色合いでも、立体物に吹くと蛍光色がキンキンに。ちょっと把握しにくい色でした。
アクリジョンと水性ホビーカラーが半々ぐらいだと混ぜてて泡が出てきました。細かい泡で塗料がモコモコしてきます…モコりつつもアクリジョン薄め液(消泡剤入り)で一応吹けますが、アクリジョンは不慣れだからか何か吹きにくいです…モコモコ泡は翌日には落ち着いていました。
アクリジョンが何か不安なので水性ホビーカラーの比率を上げて再調整しました。蛍光グリーンのカスが混入しているので茶こしで濾してきれいにしてから水性ホビーカラーを追加していきます。
最終的に水性ホビーカラー2/3くらいかな?ほぼ水性ホビーカラーの性能になりました。モコつかない程度に少し泡は立ちますが、水性ホビーカラー用薄め液で普通に吹けました。乾燥した後も問題はないです。
ガンメタ:ラッカー
他の商品と比べてクレオスのGX-201が明るめに見えたので選択
気持ち明るめに。下地を白地にしてから適量を吹きました。
最初に明るめガンメタだ!と思い込んでしまったけど、もっとシルバーな気もします。
アッシュ:水性ホビーカラー
ほとんどが緑系のスカイと機体内部色
パッケージ絵だと機体内部色に近い?
パッケージ絵のアッシュっぽさを狙いましたが、ちょっとだけゲーム画面の金髪のイメージも入りました。どっちの色合いにも取れる感じです(写真だと緑色が上手く出ていません)
髪に彫り込みを入れたので程々に陰影が入ります。ベタ塗りのままでも良さそうでしたがちょっとだけシャープペンで影を追加しました。
赤:水性ホビーカラー
結構透過する色ですが、調色が面倒なのでそのままトライ。
はっきりした濃い目の色合いでゲーム画面寄りに。ちょっと鮮やかで濃すぎるような…リタッチ部分に色が重なり一部濃い目になってしまいました。
横着せずに調色、少し白を入れて透過を下げておけば良かったです。もしくは隠蔽力のあるシタデルにしておけば良かったかもしれません。
※後でスレてハゲた所のリペイントにシタデルの『EVIL SUNZ SCARLET』をそのまま使用しました。
黒:水性ホビーカラー
先に色見本帳を作りながら設定しましたが、実際に吹くと明る過ぎたので取り止め。調色せずにタイヤブラックをそのまま吹く事にしました。
立体化物に塗ると印象が変わる色なんでしょうか。明る過ぎず暗過ぎずちょうど良い色です。立体物の陰影も程よく出てくれます。
茶:水性ホビーカラー
「適当な茶色」となめてかかったらこの有様でした
これも今回のヤバい色。
パッケージ絵とゲーム画面で色味が違い過ぎて色々考え込んでしまい、自分の中でイメージが固まらない上、ブルーの時同様、塗料色、吹いた時の色、乾燥してきた時の色が違うと言う…
パッケージ絵とゲーム画面の間くらい、別パーツと合わせておかしくない色味にしました。ぱっと見てあまり違和感はないでしょうか?
薄茶:水性ホビーカラー
製品色そのままです。
細かい形状の場所だったのでマスキングとかリタッチが面倒だったくらい。
白茶:水性ホビーカラー
適度に調色。
ジョイントも塗装しました。干渉しないよう削りを入れ、ミッチャクロンを吹いた後に白サフで下地を作りました。水性ホビーカラーでもしっかり乗りました。
グレー:水性ホビーカラー
ソールの部分です。製品色そのままです。
筆塗りしましたがシタデルほど塗りやすくないような…塗装面がぼこっとしたので、乾燥後にそっとやすり、つや消しクリアー吹きでごまかしました。
シルバー:ガンダムマーカー
最終工程で疲れてきたので手抜き。
ちょっとゴーグルにはみ出ても消しペンやアルコールで落ちるらしいし…と余裕ぶっていましたが、つや消しクリアもろとも水性ホビーカラー+アクリジョンも落ちて最悪でした。消しペン強すぎる…
ゴーグルの色落ちした箇所は目立たない部分だったので適当に手を施しました。
ゴールド:ラッカー
途中から水性系のゴールドをいくつか試しましたが、色合いが違うので取り止め。当初の予定通りラッカー系塗料のこれが一番合っていると思います。
沢山吹くと金屏風みたいな色です。下地に光沢のブラックを吹いておき、様子を見ながら少しずつ金色を吹いていきます。ちょっと古びた真鍮っぽい色合いになったら止めます。
赤茶:シタデル(エナメル合皮塗装)
赤と言うよりオレンジ色の茶色です。
今回のとてもやばい塗装。
エナメル合皮に対しての塗装です。既存の染めQの色が使えれば良かったのですが、ちょうどいい色がなかったので調色する事になりました。
【失敗A】染めQ+シタデル&薄め液(多)
使用したのはキャメルブラウン
実際はキャップの色見本よりもややコーヒーブラウンよりの色でした
A-1 染めQのみ
定着がよくなればと思い、まずは近似色の染めQを吹いてみました。シャバシャバで吹きにくい上めちゃめちゃ臭いです。離して少しずつ吹いていくのがコツだと思っています。絶対に一度に吹き過ぎてはいけない。まぁ普通に塗装できました。
A-2 染めQ+シタデルメディウム多め
色を変えるべく、染めQの上にシタデルを吹きました。薄め液はラーミンメディウムと水性ホビーカラー用薄め液です。シタデルが少しベタつきます。ラーミンメディウムの配合が増えるとベタつきも増します。別パーツに塗料が付着して剥がれるくらいまでになりました。破棄しました。
【失敗B】染めQ+シタデル&薄め液(小)+染めQ保護クリア
B-1 染めQ+シタデルメディウム少なめ
最初からやり直し。染めQを下地に吹きます。シタデルを調色しなおし、ラーミンメディウムの量を減らします。薄め液は水性ホビーカラー用です。まだ少しベタつきます。
「保護」という単語に期待したものの…
B-2 染めQ+シタデルメディウム少なめ+染めQ保護クリア
ベタつきのカバーを期待してクリアを追加で吹きます。つやありも相まってベタつきます。紙がべったり貼り付くくらいベタつきが増しました。破棄しました。
【失敗C】シタデル&薄め液(小)
C-1 シタデルメディウム少なめ
またやり直し。エナメル合皮に直接シタデルを吹きます。薄め液は水性ホビーカラー用です。今までで一番ましですが少しベタつきます。
シタデル エナメル合皮塗装の結果
・溶剤希釈のシタデルを色見本帳に吹く → ベタつきなく普通
・水道水希釈のシタデルをエナメル合皮に筆塗り → ベタつきなく普通
・溶剤希釈のシタデルをエナメル合皮に筆塗り・吹く → ベタつき
以上の事から、シタデルでエナメル合皮に塗装する時は、ラーミンメディウムや水性ホビーカラー用薄め液などの溶剤を用いるとだめだったのかなと思います。染めQの併用は溶剤を増やしてベタつきを増す原因だったのかもしれません。
ベルト下側にうっすらと黒い部分 切り出す時に書いた油性ペン
シタデルを吹くと一旦は隠れるが、時間が経つと再度浮き上がってくる
あと気になったのが、下地に残っていた油性ペンが隠蔽できない事。数回重ねて吹いても隠れないので、多分溶剤で溶けて上に上がってくるんでしょうね。隠蔽力のある塗料なのでどうせ隠れると思って消さなかったので残念な仕上がりになってしまいました。
シタデル エナメル合皮塗装の対策
対策としては極力溶剤を使用しない事でしょうか?ラーミンメディウムも水性ホビーカラー用薄め液も怪しい結果でしたし。
別の塗料を使用するのも手かもしれません。
模型とは別にコーティングレザーのバッグを補修した時があったんですが、「革用補修塗料のアドカラー+補色でシタデル+伸ばしで革用クリーナー」の組み合わせならベタつきもなく普通に補修できています。アドカラーもアクリル絵の具みたいなものだと思うんですが…
アドカラーでコーティングレザーのバッグを補修 ロゴまわりのひっかき傷など
コロンブス アドカラー+シタデル+コロンブス ツーフェイスローションの組み合わせ
コロンブス ツーフェイスローションの成分
このクリーナーでシタデル希釈したらどうなるんだろう?
結局、比較的マシだった失敗Cのベルトに追加加工を行って使用しました。
加工については以下の記事を参照下さい。
薄茶:シタデル
寝具のベルト塗装に使用しました。
前述の赤茶より溶剤の比率は低いはずですが、やはり少しベタつきます。
この色は別の箇所にも使用しています。
水筒の栓と吊り上げ紐。シタデル+アクリジョンを溶剤で吹いた上に筆塗りしています。ベタつきもなく普通です。
旅人の服の胸元のバッテンの紐。ステンシルシートに直に筆塗りしています。こちらもベタつきもなく普通です。
ピンク:シタデル+アクリジョン
水筒はエンジェルクレイ製のパーツです。表面をなだらかにする為にシタデルの白を筆塗りし、軽くやすって下地を整えています。
シタデルとアクリジョンの混合です。同じエマルジョン系だからか混ぜていておかしな所はなかったです。
ゲーム画面寄りのはっきりした色合いに近づけました。
いきなり作ると難しい色です。先に白っぽいワインレッドを用意し、蛍光ピンクをメインに白・ワインレッド・紫を足していくと作りやすかったです。
水性ホビーカラー用薄め液で希釈して全体に吹きました。ベタつきもなくマットな塗装面です。薄茶色の部分はシタデルの薄茶で筆塗りしました。シャープペンでちょっと影の描き込みをしました。
紫:シタデル
寝具もエンジェルクレイ製です。水筒と同じように下地の処理をします。
シタデルのみの調色です。水筒がはっきりした色合いなので少々濃い目の色合いにしてバランスを取りました。
水性ホビーカラー用薄め液で希釈して全体に吹きました。こちらもマットな塗装面です。
ハンマー色:水性ホビーカラー
基本の色と基本の色に白を足した物の2つを用意しました。
塗装後にそっとシャープペンやパステルで影入れをしました。
肌色:ラッカー
白地(白サフ)→不透明肌色と吹いた後、つや消しクリアにホワイトをごく少量入れた物を数回吹きました。半透明の層を追加すると樹脂の透過感に近付きました。
ただどうしても塗装が厚くなりがちです。塗料の厚みを加味して顔パーツを調整しましたが、それでも他パーツとのすり合わせが駄目になったので使用は取り止めました。
単なる実験で終わってしまったけどワンオフのパテ製の顔パーツでも樹脂っぽさは出せる事はわかりました。
先に顔の塗装を終わらせてから髪パーツを合わせて作っていけば問題なさそうでしょうか。